こうして9と坂本さんは家族の一員となった。

特に9との出会いは運命的。
わたしはもともと猫が大好きだった
けれど当時はペット禁止の賃貸住宅だった。
もしも夢が叶うなら、一緒に暮らす猫は明るい茶トラで名前は数字の「9」にしよう、と決めていた。

犬派だったT画伯にも空想の「9ちゃん」の話を聞かせて、猫の可愛さをアピールしまくって…。道端で猫を見かけると、9ちゃんに似ているかどうか言い合った。

T画伯も動物好き。実家にはイヌ、うさぎ、インコ、金魚…
死んじゃったけどモルモットもいたらしい。
きっと猫も大好きになるはず…。
ペットOKの住宅に引っ越せたらなぁ…でもなかなかいい条件の所が見つからない。

空想の「9ちゃん」が誕生してから一年以上がたっていた…


やっと家が決まったその頃、運命の9は花市場から拾われてきていた。
猫探し(9探し)を始めようと  まずはT画伯の実家に声をかけたら、義妹が働く花屋さんに貰い手を探してる子猫がいるという。

だけど今回は外見が大事。可哀想な捨て猫を貰ってあげたいが、茶トラというのは譲れない…。
…と思っていたら、すぐに携帯に画像が届いた。

なんとなんと、ずっと夢見ていた憧れの「9ちゃん」。その本物が現れたのだぁ。


二匹目の猫探しはそれからすぐ始まった。

昼間留守にするから一匹だと寂しいだろうし、猫を抱っこしたいとき2匹の方が取り合いにならなくていい(笑)。
今度も先に名前が決まった。

一匹が9なら、もう一匹は坂本さんだね、と冗談で言ったら、T画伯は結構気に入って「それにしよう」ってことになった。

そういうワケで意外とあっさり、坂本さんの名前は決まり。

会社で猫の話をしたら、わたしの同僚のAさんが親戚の家に子猫が生まれたので一匹あげますよ、と申し出てくれた。

早速次の休日、Aさんと一緒にその親戚の家を訪ねたら、生まれたての子猫が5〜6匹、縁側でもそもそ動いている。


いろんな毛色のがいるけど、母猫のチンチラ譲りか洋風顔ばかり…。雑種猫が欲しかったから、申し訳ないけどすごーく困った。
良い猫には違いない、なにせ母猫は血統書付きなんだから。ただ単にノンブランドが好みというだけなのだが…。

飼い主はとても優しそうなおばあちゃんで 「可愛いじゃろ〜。どれでも好きなのを持っていっていいよ。」 とニコニコして言ってくれてる。
ここまで来て要りませんとは言えないし…。さっきから「どの子も可愛いですね〜」とお愛想言いまくりのわたし。

9がわたしの運命の猫だから、今から貰う猫は必然的にT画伯の猫ということになる。
チラッと横目で見るとT画伯も複雑な顔をしていた。
そんなに長く迷っていられない…。あきらめたのかT画伯は一番雑種風に見えるキジとらの子猫を選んで、「これにする」とつぶやいた。
二人っきりになった(正確には坂本さんを抱いていた)帰りの車の中は自然と重い空気に…。

…これが今だから明かせる坂本さん秘話。
貰われてきてしばらくは9との緊迫した関係が続き、二匹ともが可哀想で、本気で元の飼い主に返しにいこうと話したこともあった。

そんな坂本さんも今じゃすっかりT画伯のお気に入り猫。顔もますます可愛くなって、ヨカッタヨカッタ♪

  HOME                               前頁           次頁へ